ジュエルペット てぃんくる☆ 第11話「パパの会社でドッキ☆ドキ!」
「今日は変身魔法の勉強をしましょう。この魔法で大事なのは、パートナー同士が変身したいもののイメージを
合わせることよ。まずは身近な家族がイメージしやすいんじゃないかしら」
「ふっふーん、私のパパなんかカッコいいんだから!ティンクルティンクル・リルリット!パパになーれ!
(ぼわんぼわん)どーお、これが私のパパよ!」
「た、確かに格好良いけど…若すぎない?」
「そうですよぉ、どう見たって20代にしか見えないです!」
さて今回の冒頭は、魔法学園で変身魔法を習っている場面から始まります。イメージ次第で何にでも変身できる魔法…こいつは便利ですな
手始めにミリアが自分の父親に変身してみますが、「ずいぶんと若作りした変身だなオイ」とあかり達からツッコミの嵐が…
う、うんまあ確かにその通りなんですが、あかりのママさんも相当見た目若いんでそこまであーだこーだ言うほどのもんでは…
「そんなこと言われても、もうパパとは5年も会ってないもーん。だから5年前のパパのイメージなの」
「えっ?そ、それって…」
「んん?なんなのその目は、言っとくけど私ちっとも寂しくなんてないわよ」
って、その時なにげにミリアの口から爆弾発言が!5年も前から父親と全く会ってないって…本人はしれっとしてますが
5年前に両親が離婚でもしたのか、なんだか複雑な家庭で育ってきたようです
それにしてもミリアってまだ8歳なのに、5年前のパパの姿を鮮明に覚えてるってなにげにすごいですね。3歳児の時の記憶なんて全く覚えてねえぞ…
「それではあかり、もっとお父さんを観察して、来週までにちゃんと変身できるように家でも練習してくださいね」
「は、はい」
そんな中であかりは、自分の父親に変身しようとしてみても「だらしがなくてグータラで、うだつの上がらないダメな父親」の姿しか
イメージすることが出来ず、あまりの情けなさに「いやぁちょっと普段の観察が足りなくて」と思わず口走ってしまいます。
そこで先生に「じゃあもっと観察してこいよ」と宿題を出されてしまったあかりは、いったん人間界の実家へ帰ることになりますが… 「あかり~!留守番頼むわね~!」
「はーい!あっ、ところでお父さんは?」
「さっき連絡があってね、会社でトラブルが発生しちゃって、いつ帰れるか分からないって。それじゃ行ってきまーす!」
ブロロロロ
「う~ん、そうなんだあ…」
「いないんじゃ観察のしようがないよね…」
ところがあかりが現実に帰ってきてみると、父親は仕事が忙しいせいで会社に残りっぱなしの残業地獄を味わっていました
どうやらこの日は休日みたいですが、それも返上して休日出勤するハメになっているようで…なんという哀れな社畜…
プルルルルプルルルル
「はい、もしもし」
《ああ、あかり!お母さんいるか?》
「あっ、お父さん!お母さんはお姉ちゃんの撮影に立ち会うって出かけちゃったけど…」
《う~ん、そうなのか…あかり、設計図が保存されてるフラッシュメモリがどうしても必要なんだ。
悪いけどお父さんの部屋のパソコンのUSBについてるフラッシュメモリを、会社まで届けてくれないかなあ》
「ええっ!?」
《それがないと大事な設計が出来ないんだ…》
「う、うん、分かった、すぐ持っていく!」
《すまないなあ、じゃあ頼んだぞ》
ってなにいいいいい!?その時仕事場から父親が「忘れ物を届けて欲しい」と電話をかけてきたわけですが…
会社で使うデータを家に持ち帰って個人用パソコンにぶっ刺しておいたっておいいいいい!!
コンプライアンスって言葉を知らねえのかよ父ちゃん!
(※コンプライアンス:企業が社会的信用のために守るべきルールのこと)
例えばこんなページを見てみると、「情報漏洩問題で最も危険な記録メディアがUSBメモリ」だとか書かれてたりします
今の世の中じゃ、そういった情報漏洩防止のために、どこの会社でも「会社内の情報をUSBメモリとかで外に持ち出すのは厳禁」って
言われているっていうのに…ああ…
「えっ、桜部長のお嬢さん?」
「はい!」
「部長は12時くらいに到着するっておっしゃっていたけど…」
ともかくそんな父親のフラッシュメモリを持って会社へ向かったあかり。しかし、「早く届けてあげた方がいいよね」と
ワープ魔法を使ってきたせいで、予定よりもずいぶん早く到着してしまったようです。
予定では12時に着くはずだったのが、今は11時15分…45分早く着いたのか…
まあでも「一刻も早く持ってきて欲しい」って感じでしたし、ちょいっと父親を呼んでくれれば済む話なんじゃないでしょうか
「怪しいわねぇ…(ジロジロ)[size=32]残念だけど通すわけにはいかないわ」
[size=32]Σ(゜д゜;)!?[/size]なっ…ちょっ、ええ!?い、今なんと!?この受付は一体何を言ってるんですか!
「ウチの娘が重要なメモリを届けに来るから、来たら通してあげてくれ」って、すでに父親から聞いているというのに!
それをこんな風に不審者扱いですって!?アタマ大丈夫か!?
「そ、そんな!お父さんに連絡してもらえば、分かってもらえると思いますけど…!」
「むっ…[size=32]出て行かないとガードマンを呼びますよ!!」[/size]
[size=32]「ええええええええ!?」
[/size]
[size=32]なんじゃこのキチガイはああああああ!![/size]く、狂っておる!こやつは狂っておる!
「お父さんを呼べば分かる」という至極もっともな主張に対して、「うるせーとっとと出て行けカス」と問答無用で追い出すとは!
どんだけデタラメな受付雇ってるんだよこの会社…こんな奴は一刻も早くクビにするべきだろ…(えー[/size]
「ああ…どうしよう、早く着きすぎちゃったのが悪かったのかな…」
「あかりちゃん!こういう時こそ変身魔法だよぉ!」
「そ、そっか!ようし、お父さんに変身よ!」
って、そんなバカ受付に追い返されてしまったあかりは、ルビーのアイデアで変身しての潜入作戦を開始!
まんまと父親そっくりに変身したあかりは、バカ受付を簡単にスルーして会社の中へと突入するのでした
しかし今さらながら、ジュエルランドで覚えた魔法は現実でも使い放題なんですねえ。これは便利な設定だなあ
「むっ?桜君!」
「はっ、はい!?」
「設計図を元に戻す作業は一体どうなっとるんだ!」
「えっ、あ、はい、そ、それはその…」
「設計部全員で作業に当たっていますから、大丈夫ですよ。ねえ部長!」
「あ…ああ!」
ところが会社の中に入って早々、いきなり専務に捕まって仕事の進行状況を問い詰められてしまうあかり!
すいません専務、それについてはバカな受付のせいで無駄な足止めを食らって…(えー
ともかくそこに父親の部下が居合わせてくれたおかげで、なんとか話を合わせることができましたが…
「依頼主はウチのお得意様なんだよ!一体何をやっとるんだ!(すたすた)」
「す、すいません…(なんで私が謝らなきゃいけないのよぉ!)」
「(ぼそぼそ)片岡専務ったら本当アタマに来ますよね!部長が反対したにも関わらず、
設計図を変更したのは専務だったのに!それに比べて部長は立派ですよ、
文句ひとつ言わず、徹夜で修正作業をしてるんだから…本当尊敬しちゃいます!」
「あ、あはは…(お父さんって部下の人達に慕われてるんだ…知らなかった…)」
そして「仕事おせーんだよバカヤローコノヤロー」と散々あかりに怒鳴り散らしながら去って行った専務。
しかしこの仕事がこれほど遅れているのは、元々この専務がヘタな変更を加えたからのようで、あかりの父親は全然悪くないみたいです
「なんだこの設計図!ワシがもっといい形に変えてやる!」 → 「やっぱり手を加えない方がよかった。今すぐ元に戻せ!」って
どっかのルーピーと言ってることが一緒だなこの専務…(えー
「あっ、桜部長!この間の日曜には、わざわざ病院まで鯛を届けていただいて
ありがとうございました!」
「えっ?えっ?」
「入院中の主人に食べさせたらとっても喜んでくれて…!
桜部長にくれぐれもよろしくと言っておりました!本当にありがとうございました!」
「あっ…(そ、そういえばこの間の日曜日…)」
---------------------------------
『ええーっ!?1匹も釣れなかったの!?』
『あはは、面目ない…』
『絶対に鯛を釣ってくるって言ってたのに!』
『どうするの、オカズ作ってないのよ!』
『い、いやあ、本当にすまないねえ、あはは…ははは…』
---------------------------------
(私達にはあんなこと言ってたのに…お父さんったら…)
さらに今度は、廊下で出会った掃除のおばちゃんまで「入院中の主人にごちそうしてくれてありがとう」と変身中のあかりにお礼を…
何の話かと思えば、そのごちそうしてあげた鯛というのは、本当は父親があかり達に持って帰るはずのものだったようです
しかしおばちゃんの旦那さんが入院中だという話を聞いて、少しでも元気になればとその鯛を差し出したという…
あかり達からすれば、鯛を釣りそこねて帰ってきたダメ親父…しかし実際は、そんな風に影で人助けをしていた優しい男だったのです
そんな話の数々を聞いて、あかりは今までの「うだつの上がらないダメな父親」というイメージを捨て去ったようで… 「今日はあかりには悪いことさせちゃったなあ」
「ううん、お父さんのお仕事、上手く行ったみたいでよかった!」
「ああ」
「お父さんの会社に来てよかった!お父さんが部下思いで、みんなに慕われてるのが分かったもの!」
「はははっ、そうかぁ」
そしてなんとか父親の仕事の方も片付いたようで、帰り際に公園で一息ついていた2人。この上目遣いのあかりが可愛すぎてやばい…
しかしあかりも完全に父親のことを見直したようですが、私も違う意味でこの父親は凄いと思いました
今回会社の人が何度も言っていたように、あかりの父親って部長だったんですよね。
いやまさか部長だとは…うだつの上がらない人生どころか、この若さで部長だなんて驚異的な超エリートじゃないでしょうか
みなさん部長というと「課長より1ランク上の人でしょ?」ぐらいの認識なんじゃないでしょうか。まあ別に間違いじゃないですが、
課長より1ランク上は部長…じゃあその部長より1ランク上の人となると、どんな役職の人になるかご存知でしょうか?
それはなんと常務とか専務のような会社役員、いわゆる経営層の人間になるんですよ。
お分かりでしょうか、そんな経営層の下に管理職の人達がズラリと並んでるわけですが、部長はその管理職の中で一番偉い役職なのです。
「中間管理職」って言葉を聞いたことがあると思いますが、あれって課長や係長のことで、
部長のことは中間なんて言い方はしないんです、何度も言うようですが部長は管理職の中で一番偉いから。
たとえば「営業部長」は営業で一番偉い人間、「設計部長」は設計で一番偉い人間、「生産技術部長」は生技で一番偉い人間…
という風に考えてもらえればいいと思います。ちなみにあかりの父親は設計部長だそうですね(会社は造船関係、タンカーを設計してるとか)
私のような平社員からすると、社長だの専務だの経営層の人達っていうのは、ふだん全然顔を合わせる機会もないし
別世界に住んでるよく分からない神様みたいなもんです。じゃあ同じ世界に住んでて、実際に自分達を統治してる王様は誰なの?っていうと
それが部長です。要するにそんなとこまで出世してるあかりパパは、半端なくすげぇ人だな…と
感心してしまったというお話です。次回に続く!